ROCKY ロッキー

What's ロッキー?

ロッキー Rocky

ロッキーとはスウェーデンのマンガ家マッティン・ケッレマンが描く4コマ漫画だ。ガールフレンドに愛想を尽かされ、さらにはポルノ雑誌での連載もクビになった散々な1998年、ケッレマンはロッキーを書き始めた。自身のみじめな生活にうんざりしながらも半ば冗談めかして日々を笑い飛ばすべく、それをマンガにすることを決心したのだ。ケッレマンは自らの分身をロッキーという犬として、そして友人らを彼らの個性が投影された何かの動物として作中に登場させている。

主人公は、ケッレマン自身が投影されたキャラクター、犬のロッキー。彼の周りには常時友人が10名ほどいて、時期によって去る者があれば来る者もあり、そしてロッキーの傍に留まり続ける者もある。どのキャラクターも実在の人物の性格や外見を反映した動物となっている。男らしいキャラクターはトラやワニに、かわいらしい女性キャラはネコやウサギに、といった具合だ。とはいえ、それぞれのキャラクターが詳細に描写されているわけではなく、むしろロッキーとの会話の面白さに重点が置かれている。

地下鉄駅などに置いてある日刊のフリーペーパー「Metro」に初登場するや、ロッキーは驚異的なスピードでファンを開拓し、気が付けば大ヒットとなっていた。その成功は、読者にとっても身近なストックホルムの日常が、正直に、時に野蛮に、面白おかしく、そして時代の流れをしっかりと捉えて描かれているからに他ならない。当時は誰もが、特にケッレマンと同じく20代の若者たちの多くが、このシニカルで不機嫌なアンチ・ヒーローに共感した。

作品の中には攻撃的な描写が少なくない。
泥酔、嘔吐、罵詈雑言はむしろ見慣れたエレメントにすぎず、大麻を嗜んだり外で全裸になるといった実際にやると法に触れるような内容もありありと描かれている。また、有名人や特定の国、団体、個人を揶揄するような表現もしばしば見られ、無論それについてはさまざまに議論がある。しかし、何よりもそこではストックホルムのリアル・ライフが包み隠さず描かれていて、その正直さこそロッキーが多くのストックホルマーに支持される所以なのだ。

作者:マッティン・ケッレマン(Martin Kellerman)

マッティン・ケッレマン(Martin Kellerman)

マッティン・ケッレマンは1973年にスウェーデン南部にある人口6万人の街ヴェクフェー(Växjö)に生まれる。彼が13歳の時に家族はストックホルム郊外のウップランス・ヴェースビィ(Upplands-Väsby)に転居し、時をほぼ同じくしてケッレマンはマンガを描き、それを売って身銭を稼ぐようになっていった。25歳の時にロッキーが日刊フリーペーパー「Metro」に初めて掲載され、それからケッレマンはスウェーデンで有名な作家の1人にまでなっていった。

ケッレマンはマンガの他にもロッキーに関するプロジェクトを進めていた。2001年にはストックホルム・スタツテアーテル(市立劇場)で舞台版ロッキーのプレミアを開催。スウェーデン中を講演した後、市立劇場で100回以上公演されるヒット作品となった。2007年にはケッレマンがプロデュースしたテレビシリーズ「Non Fiction」が国営放送SVTで放送された。このシリーズはロッキーと同様のテイストのリアリティ番組で、ロッキーの登場キャラクターの元になった人物が中心となって製作していた。翌年にはアニメ版のショートフィルムがDVDとして発売され、その後SVTで放送された。

またケッレマンはイラストレーターとしても活動していて、ヒップホップ・フループのファッタル(Fattaru)PVを手掛けたり、友人の俳優ヨナス・インデが書き下ろした小説「Too fast for love」のイラストを担当している。