2009年で30周年を迎えるストックホルムの老舗レコードショップ、ペット・サウンズ。30年を記念して、その足跡を記した伝記が2009年10月に出版されたペット・サウンズは、ストックホルマーの間でもっとも有名で、最も愛さているレコード・ショップだ。1990年代にセーデルマルムのソフォがインディーズ・ミュージックのメッカだった頃に、目抜き通りのスコーネガータン通りあるペット・サウンズは当時隣接していた伝説的なバー、ハンナス・クローグ(Hannas Krog)と共に一時代を支える重要な役割を果たしてきた。
かつてのアメリカの名バンド、ビーチ・ボーイズが1966年のアルバムから名付けたショップとあって、1960、70年代のポップスやロックに対してかなりのこだわりを持っている。たとえば、ボブ・ディラン(Bob Dylan)、フリートウッド・マック(Fleetwood Mac)、ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)、ザ・スミス(The Smiths)らをはじめとした店にとって“大切な”アーティストに関しては、すべてのアルバムを常にショップに置くようにしている、とwebで発言している。
同時に、あらゆるジャンルの音楽を網羅していて、CDだけでなく中古から新譜のレコードまで取り扱っている。そして、ネットの普及に伴う音楽業界の危機により近年では多くのショップが規模縮小や閉店を余儀なくされる中、ペット・サウンズは改装を重ね、その規模を拡大している。今ではDVDや音楽書籍、音楽関連グッズにまで取り扱いを広げ、マニアックな書籍のコーナーもできたほどだ。
ショッピングの後にちょっと一杯、という気分なら、かつてハンナス・クローグがあった場所にできたペット・サウンズ・バー(Pet Sounds Bar)で、より“ペット・サウンズ的な”雰囲気を味わえる。
(Text/Photo: Martin Ekelin)