およそ15年程前まで、スウェーデンで古着を買うということは、アンティークストアやチャリティショップの地下で無数に並ぶハンガーラックと幾時間も格闘することを意味していた。こういった店では、服たちはブランド、クオリティ、性別などで選別されておらず、無秩序きわまりない状態で吊るされていた。当時、古着を求める多くのスウェーデン人たちは、スウェーデン国内よりも古着やビンテージが文化として根付いている外国で買う方を好んでいた。
しかし、21世紀がスタートしたころ、それまではほとんど存在しなかったスウェーデンのファッションシーンが国際的に評価を受け始めたあたりから、スウェーデン人消費者の服に対する嗜好が洗練されてきた。それにつれユーザーのニーズが拡大、多様化していき、古着を扱うショップとしてもクオリティの高い商品を提供するための努力は必須のものとなっていった。ニューヨークのクリスティーズやロンドンのサザビーズのようなスウェーデンの競売専門会社ブコウスキース(Bukowskis)が、2008年からスウェーデン国内でもビンテージウェアの競売をスタートさせた。この事実は、スウェーデン国民がこの頃に古着を重視し始めたことを強く示しているのではないだろうか。
多くのストックホルマーが、レディース古着ショップのベストチョイスの一つとしてユーディッツを挙げることだろう。ユーディッツでは、分類されていない山積みの服と格闘する必要はなく、すべては色別にきちんと整理されいて、時間をかけて商品がセレクトされ陳列されていることがわかるだろう。
ユーディッツは50〜70年代のビンテージドレスを専門に扱っているが、世に出て数年のブランド古着も取り扱っている。バッグや各種アクセサリーの、幅広くクオリティの高いセレクションもある。大半の商品は、一般人の持込みのものをコミッション形式で販売しているもので、持込まれた際にそれらの服たちはクオリティや傷の有無などをひとつひとつ丁寧にチェックされる。他にも、ユーディッツのスタッフたちが逸品探しに外国へ買い付けに行くこともしばしばだ。取扱いブランドは、シャネル、ディオール、エルメス、アクネ、ナックナ、マレーネ・ビルゲル、ローデビエなど。
ユーディッツがあるホーンスガータン通りに面した100mほど離れたところに、メンズストアのヘッル・ユーディットがある。ヘッル・ユーディットはこの種のメンズストアではストックホルムで草分け的な存在だ。さらには、ヘッル・ユーディットにほど近い、ホーンスガータン通り平行した通りにブランスタフーネン(Brandstationen)という系列店がある。このショップ名は“消防署”という意味で、実際にもともと消防署だったスペースにオープンしたショップなのだ。ここでは、60年代以前の、厳選されたセカンド・ハンドのアクセサリーや家具、インテリア商品を取り扱っている。そしてユーディッツの隣には、最も有名なスウェディッシュ・ファッションブランドのひとつフィリッパ・コー(Filippa K)だけの古着を扱ったユーディッツの系列ショップもあり、ここではレディーズ、メンズ、そしてアクセサリーまですべてを取り扱っている。
(Text:Gustaf Kjellin)