スルッセン(Slussen)とメードボリャプラツェン(Medborgarplatsen)の合間を走るイェートガータン通り(Götgatan)の小高いエリアは“イェートガータンの丘”という通称で呼ばれていて、今から10年前までは“上品ではない”人たちがたむろする“上品ではない”バーが軒を連ねる、いささか荒廃したエリアだった。しかし今ではすっかり様変わりし、通りの大半は歩行者用のストリートとなり、ウィークデイ(Weekday)、モンキ(Monki)のようなファッションストアや、ユングレン(Ljunggren)のようなシャレたレストランが軒並みオープンしたこともあり、以前からは想像もつかないような場所へと変貌を遂げ、セーデルマルムのトレンドを象徴するスポットとも言えるエリアにまで発展した。
2000年、インディゴというこのバーのオープンは、このエリアに新しい雰囲気が醸成される一つの兆しとなった。無垢材を多用した飾りっ気のほとんどない、きわめてミニマリスティックで一般的な北欧スタイルがストックホルムのバーのトレンドであった当時、インディゴはまるでその正反対のスタイルでデビューしたのだ。派手なカラーのプラスティックのマテリアルやネオン管を多用したインテリアは、フランス人建築家のギー・モンソー(Guy Monseau)が手掛けた。インディゴはセーデルのインディーズ・ピープルの間ですぐに人気のバーとなり、そしてその人気は一時的なもので終らず今に至っている。幾分小さめのこのバーは、曜日を問わず混み合っている。
インディゴとはバーであり、それ以上でも以下でもない。
おそらくここは夜を徹して灯りを灯している場所ではないだろうが、ふらりと立ち寄り、“セーデル的な”常連客を眺めながらカクテルを1〜2杯飲むには絶好の場所と言える。この店のセールスポイントは紛れもなくハイ・クラスなカクテルで、比較的客が少ない夜には、スタッフが特別なカクテルを作ってくれる。
店から徒歩3分ほどのビョーンシュ・トレゴード公園(Björns Trädgård)の北側にある、姉妹店のバビロン・バー(Babylon Bar)もおすすめだ。騒々しいメードボリャプラッツェン広場からほんの数歩脇にあるにも関わらず、意外にも静かでリラックスできる場所なのだ。小さな公園脇に出された野外シートに腰をおろし、クルマや人ごみからちょっと離れて休憩するにはこの上ない場所だ。インディゴと同じく、バビロン・バーのカクテルもクオリティが高いと評判だ。
(Text / Photo: Martin Ekelin)