ストックホルム ガイド 建築Architecture

ブルンケベリストンネル (Brunkebergstunneln)2010.10.08

ブルンケベリストンネル Brunkebergstunnelnブルンケベリストンネルは、ストックホルム中心部をほぼ南北に走るブルンケベリスオーセン(Brunkebergsåsen)という尾根状の台地を突っ切る、歩行者や自転車のためのトンネルだ。このトンネルはダーヴィド・バーガレス・ガータ通り(David Bagares Gata)の6番地からトンネルガータン通り(Tunnelgatan)1a番地にかけて走っていて、ストゥーレプランシティ・エリアを繋いでいる。

このトンネルは、1884年から1886年にかけてエンジニアのクヌート・リンドマルク(Knut Lindmark)の元で建造され、なんと落成式は当時のスウェーデン王オスカル2世自らが執り行なった。とはいえこの建設の前には、ブルンケベリスオーセンの複雑な地質を始めとした多くの問題が立ちはだかった。そのせいか、当時ストックホルマーの間でこのプロジェクトは“破壊”と“地下道”の2重の意味を持ち合わせた「ウンデルコン(Undergång)」という言葉を使った“リンドマルクのウンデルコン”という愛称をで呼ばれていた。完成時の測定によると全長231m、道幅4m、高さ3,9mとされている。

ブルンケベリストンネル Brunkebergstunneln皮肉にもその大衆のユーモアが将来を予言したのか、トンネルの完成から数年後にリンドマルクは自殺した。その理由として、彼はブルンケベリストンネルが落盤するのを恐れていたからではないかと伝えられている(結局落盤することはなかった)。彼の自殺のみならず、トンネルは別の不運な歴史的事件とも繋がっている。ベトナム戦争に介入したアメリカを非難したことで有名なかつての首相オロフ・パルメ(Olof Palme)が1986年に暗殺されたのがトンネルガータン通りで、このトンネルの眼と鼻の先だった。犯人はトンネル脇の階段を登って逃走し、今日でも未解決の暗殺事件となっている。

1997年にブルンケベリストンネルは建築会社GWSKによってフルリニューアルを果たし、伝統的な景観を重視するストックホルムにあってはきわめて珍しい風貌へと生まれ変わった。このリフォームされたトンネル内に漂うモダンでアーバンな雰囲気のため、ここはファッションのキャンペーンやプロモーションビデオロケ地として一躍有名なスポットとなった。有名な例だと、世界的に有名なスウェーデン人映画監督ヨーナス・オーケルンド(Jonas Åkerlund)が手掛けたマドンナのプロモーションビデオ「Ray of Light」に、ほんの僅かだがこのトンネルが登場している。
(Text: Gustaf Kjellin)

エリア
ストゥーレプランスィティ
住所
: David Bagares Gata 6 〜 Tunnelgatan 1a