ストックホルム ガイド 建築Architecture

ストックホルム・スタッツビビリオテーク (市立図書館・Stockholms Stadsbibliotek)2009.11.19 更新

ストックホルム・スタッツビビリオテーク 市立図書館 Stockholms Stadsbibliotekストックホルム・スタッツビビリオテークは、スウェーデン建築家の巨匠グンナル・アスプルンド(Gunnar Asplund, 1885-1940)の設計で1928年に完成した、スウェーデン近代建築の傑作と謳われている建築物だ。

この建物は、1920年代に北欧で隆盛を極めた建築スタイル“北欧古典主義”の最たる例と言われている。図書館として一般に開放されているため、ストックホルマーの中にはその高い建築的価値を意識しないものも多いが、ストックホルム中を探しても、あらゆる意味でこれほど完成度の高い建築物は皆無に等しいだろう。

2000年になると、ストックホルムの中心的な図書館であるこの建築物が手狭になってきたため、建物拡張の必要があることが明らかになった。その計画のため2006年の夏にストックホルム市はコンペを実施し、2007年11月にドイツ人女性建築家ハイケ・ハナダ(Heike Hanada)のプラン「Delphinium」が最優秀賞を受賞した。

ストックホルム・スタッツビビリオテーク 市立図書館 Stockholms Stadsbibliotekしかし、2009年10月に拡張計画はすべて中止となる。
ストックホルム市は膨れ上がる建築費と運営費を中止の原因として挙げているが、受賞プランに対する批判の声もその主な原因であると言われている。

ハイケのプランでは、本館に隣接している、歴史的・建築的に価値の高いアスプルンド設計の別館を取り壊して新たに立て替えることが盛り込まれており、特にこれに対する批判が強かったのだ。2009年9月にはUNESCOの機関であるICOMOSからプランに対する批判の声が噴出し、それ以前にもノーベル文学賞を選定するスウェーデン・アカデミーからも批判されていたため、政治家たちがこの計画に対してためらいを見せることはむしろ自然なことであった。

とはいえ図書館の拡張工事が必要であることには変わりないため、場所をストックホルム・スタッツビビリオテークではなく、これから開発が進むスルッセン地区に建造される建物の中に編入しては、という意見が自由党の議員でストックホルム市文化委員会のマデレーン・フェーステト(Madeleine Sjöstedt)などから出ている。
(Text:Martin Ekelin / Photo:Martin Ekelin, Toru Nagata)

エリア
ヴァーサスタン
トラム駅
: ロードマンスガータン(Rådmansgatan)
営業時間
: 月〜木曜09:00〜21:00、金曜09:00〜19:00、土〜日曜12:00〜16:00
住所
: Sveavägen 73
電話
: +46-8-508 31 288