ストックホルム出身のジュエリーデザイナーであるハンナ・へードマンは、そのユニークで美しいハンドメイド作品で業界に新風を吹かせている。薄い銀のレイヤー、銅のカバー、合成素材などで作られたネックレス、ブローチなどのコレクションが彼女の特徴である。こういった素材を組み合わせることで、身につけることのできるミニチュアの世界が作り上げられる。
コロラド州のウェスタン・ステイト・カレッジ(Western State College)で美術を学び、ストックホルムの名門コンストファク(Konstfack)で銀細工と貴金属製造の技術を学んだへードマンのスタイルは、近年スウェーデン国内で非常に人気のあるミニマリズムとコンセプトデザインの流行からはかけ離れたものである。しかしこれは間違った選択ではなかったようだ。ハイペースな作品制作と、多くの消費者、批評家からの注目はへードマンの作品とその名をスウェーデンの国境を越えて知らしめた。ストックホルムのプラティナ(Platina)やニューヨークのオーナメンタム(Ornamentum)、イスタンブールのSodaなどの名高いギャラリーにおいて彼女の個展が開かれている。また、ミュンヘンのピナコテーク・デア・モデルネ(Pinakotheken Der Moderne)、ヨーテボリのレスカ・ムセートデザイン博物館(Röhsska Museet)、ストックホルムのナフナールムセウム国立美術館(Nationalmuseum)などにおいても彼女の作品が収蔵されている。へードマンは2009年、オーストリアのSo Fresh Awardや、2008年にはオランダのAnnual International Graduation Showなどの国外での受賞暦も持つ。
へードマンのジュエリーは儚く、同時に重量感のある3次元の挿絵のようである。彼女の作品には詩的な側面があり、ファンタジーや民話の舞台のようなミニチュアの世界が含まれているのが見て取れる。そして、ミステリアスな世界観やオーガニックな質感が融合した作品は、見るものの目を釘付けにする。へードマン自身はこう語る。
“概念的に言うと、潜在意識下のイメージを具現化するだけでなく、作品に接する人々を、私が表現する世界 〜美しいだけでなく、時にメランコリックで悪意に満ちた世界〜 の細部へと導きたいの。”
時に彼女の作品は毒々しいと批判されることがあるかもしれないが、それもへードマンが作品の美学の一部として探求し続けるものである。彼女は次のように語る。
“美しいと感じるものと不快と感じるもののコントラストに興味を覚えるわ。時には、悲劇的なことや不快なものが美しいと感じられることだってあるのよ。”
彼女の世界はオリジナルなものである。私たちが彼女の作品を鑑賞する者としてその世界に入り込んでいけることも、また特権ではないだろうか。
(Text : Gustaf Kjellin)
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